スーパーに陳列されているパイナップルの写真

2025年8月15日~18日の3泊4日で台湾・台北に行ってきました。昨年12月に1泊2日で行って以来2回目の台湾・海外旅行だったりします。前回は初海外というのもあってリュック一つで行く予行演習的な要素が強かったのですが、今回は4日間ということでちゃんと観光をして、お土産もたくさん持って帰ろうというのが今回の趣旨です。

この記事では、台湾からパイナップルを個人で持ち込む場合の手順について解説します。内容は2025年8月現在、桃園国際空港から出国する場合の手続きで、松山空港や高雄空港などの桃園空港以外から出国する(検疫を受ける)場合は一部内容が異なるため注意してください。

お土産にパイナップルという選択肢

台湾のお土産というと、パイナップルケーキや台湾茶、あるいは台湾ビールやKAVALANウィスキーなどが定番でしょうか。マンゴーなどのトロピカルフルーツもおいしいと有名なので、ドライフルーツを購入する人も多いようです。

せっかくフルーツを買うのであれば、新鮮な生のフルーツをお土産として持って帰りたいところなのですが、海外のほとんどの国の野菜や果物などは防疫の観点から日本に持ち込むことができません。当然、台湾産の野菜・果物も例外ではなくて、マンゴーやドラゴンフルーツ、ライチなどの定番果物も日本に持ち込むことはできず、仮に手荷物として持ち込もうとすると入国後の税関のところで止められて廃棄する必要があります。稀に黙って持ち込もうとしてしまう人がいますが、黙って持ち込むのは完全に違法で、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金となるので、絶対にやってはいけません。

しかし、実はこの規定には例外があって、一部の野菜・果物では事前にきちんと検査を受ければお土産として日本に持ち帰る事が可能です。どの果物を持ち帰ることができるかは、国や時期によっても異なることがあるため、事前に調べておく必要があります。2025年8月現在であれば、植物防疫所のWebサイトに簡易検索できるページがあるので、こちらで国ごとの情報を確認してください。検索ページで「検査なしで持ち込めます」「入国時の検査が必要です」「検査証明書及び入国時の検査が必要です」のいずれかの記載があるものは条件を満たせば持ち込みが可能です。「持ち込めません」となっているものは個人で持ち込むのは不可能と思ってください。

簡易検索のページで台湾を調べてみると、マンゴーやパッションフルーツなどほとんどの物は「持ち込めません」となっていますが、パイナップルは「検査証明書及び入国時の検査が必要です」と書かれています。これはつまり、パイナップルについては所定の手続きを行えば持ち込み可能な場合があるということです。実は「場合がある」というのは大事なところで、後で説明する通り、「手続きを行っても持ち込みできない」ケースが存在するので注意が必要です。

パイナップルを持ち帰るための7ステップ

細かいことはいいから早く持ち込む方法を教えてほしい人向けの簡単7ステップ。

  1. パイナップルを買う
    • 何事もまずは現地でパイナップルを購入しないことには話が始まりません。
    • 購入の証明が必要なため、レシートや領収書を必ず貰ってください。
  2. 桃園空港管轄の植物検疫所に予約メールを送る
  3. パイナップルを良く洗う
    • 虫がついているのはもちろん、虫がついてた痕跡(糞の跡など)があるだけでも検査不合格となってしまいます。
    • 必ず、ブラシを使ってくパイナップルを隈なく水洗いしてください。
  4. 申請書を用意する(任意)
    • 前述の注意点のページに、検査当日に必要な申請書のフォーマット(PDF)が用意されているので、事前に印刷して用意しておくと手続きが非常にスムーズです。
    • 当日手書きする必要がありますが、事前に用意していなくても大丈夫ではあるはずです。
  5. 出国当日に植物検疫所に行って検査を受ける
    • 予約した時間に検疫所に行ってパイナップルの検査をしてもらいます。
    • 検査後、手数料を銀行で支払い後、検査証明書を発行してくれるので大事に保管します。
  6. 日本入国後、税関横にある植物検疫で検査を受ける
    • 入国審査通過後、税関の前に植物検疫があるので、パイナップルと台湾で発行された検査証明書を差し出して検査してもらいます。
    • 問題がなければ検査合格証が貰えて、晴れて持ち込み許可が出ます
  7. 税関を通過してお持ち帰り
    • 果物類は税関申告書で申告が必要なものなので、税関検査も必ず有人レーンに回されます。
    • 堂々と検査済みであることを伝えて確認してもらえば何事もなく通過できます。

ざっくり流れを把握したところで、それぞれのステップの詳細を見ていきます。

Step 1. パイナップルを買う

まずはお土産として持ち帰るためのパイナップルを買います。台湾のパイナップルのシーズンは主に3月下旬~6月頃で、特に5月~6月が完熟パインの出回る時期となっていますが、果物屋さんやスーパーなどでは一年を通して何かしらのパイナップルが販売されていることが多いようです。今回は8月中旬ということで、定番の金鑽鳳梨(台農17号)は殆ど姿を消している状況でしたが、10月頃まで出荷されているミルクパイン(牛奶鳳梨/台農20号)をスーパーなどでも良く見かけました。いくつか調べてみた限りだと、品種毎の出回る時期は概ね以下の表のような形になるようです(実際に販売してるところを確認したわけではないのであくまでも参考程度に)。

パイナップルの購入は今回の旅の主目的の一つだったので色々なところを見回ったのですが、PXmart(全聯福利中心)などのスーパーや、三越・そごうなどの百貨店で取り扱いがあった一方、旬(春~初夏)を少し過ぎているというのもありすべてのお店で扱っているという感じではありませんでした。価格は大体80~180元(約400~900円)前後で、街のスーパーなどで100元以下、百貨店などの高級店で150元~といった価格感のようです。昨今の日本国内のスーパーだと500円以下で買えることもあるので必ずしも安いわけではないですが、より新鮮で適度に熟したものや、あまり日本に入ってこない品種のものを買えたりするメリットはあります。

基本的にどこで買っても問題ないですが、購入するときの注意点としては「虫などがついていないものを選ぶ」「レシートや領収書を必ず貰う」の2点があります。虫はカイガラムシと呼ばれる2~3mm程度の白い虫がお尻付近に寄生していることが多いようなので、持ち上げてお尻(切り口)付近を重点的に確認します。虫そのものが居なくても、糞などの虫がいた形跡があるだけで検疫NGになってしまうので出来るだけきれいに見えるものを選んでください。レシートは台湾での検疫の際に必要となるので、忘れずに貰ってなくさないように保管してください。

今回は初挑戦というのもあって、町の果物屋さんではなく、だいぶ割高にはなるもの比較的キレイで検疫に合格する可能性が高いだろうということで、百貨店に入っているスーパーでパイナップルを購入しました。2025年8月中旬時点では少なくとも以下のお店でパイナップルの扱いがありました。百貨店のスーパーでも、店舗によって取り扱いの有無が違うようだったのでご注意ください。今回見た中だと台北10にあるスーパーが数も多く割とよさそうな感じがしました。

  • 全聯福利中心(PX MART)中山林森店: 中山國小駅/ホテルサンルート台北/雙城街夜市近くのスーパー。ミルクパインがあった
  • 遠東SOGO台北忠孝館: 忠孝復興駅4番出口すぐの百貨店。地下2階に食料品売場がある。今回はここで購入(上の写真右)
  • Mia C’bon 台北101店: 台北101の地下1階にある高級スーパー。今回見た中では一番豊富にあって、百貨店よりも安かった(上の写真左)
  • 新光三越 DIAMOND TOWERS: 忠孝復興駅、SOGOの隣なので寄りやすい。4階に食料品売場がある。唯一ミルクパインの他に西瓜鳳梨があった。タワマン併設のお店という性質が強いらしく、お客さんが殆どいなくて快適かも?

購入後、検疫の予約を行ったり、丸洗いをして乾かす必要があるので、帰国の前々日ぐらに購入するのがおすすめです。前々日に購入した場合、帰国して実際に食べるまでは概ね3~5日程度経ってからになると思われるので、完全に熟した状態の場合は傷みが進む可能性もあり、やや注意が必要です。とはいえ、パイナップルは追熟しない果物とされているので、未熟なものを購入すると甘味の少ない残念な感じとなってしまうようです。一般的には下膨れの形でしっかりと重みがあり、網目が立体的で色が黄色味がかっていて、葉っぱも濃い緑で先までピンと伸びているものが新鮮かつ熟していて良いものとされています。

Step 2. 台湾現地の植物検疫の予約をする

無事パイナップルを手に入れたら、ここからが普通のお土産物と違う大事なところになります。最初の方で説明した通り、パイナップルを日本に持ち込むには「検査証明書及び入国時の検査が必要」となっています。このうち、「検査証明書」は台湾の植物検疫所に検査してもらい発行されるものが必要です。検査自体は出国当日に空港にある検疫所で行ってもらうのですが、検疫を受ける前日までに予約しておく必要があります。一応、事前連絡無しでもできない事はないようですが、長時間かかる可能性や受け付けてもらえない可能性もゼロではないので、必ず事前予約をするようにしてください。

事前予約(事前審査)の詳細は台湾の農業部動植物防疫檢疫署桃園分署のページに記載があります。ページに記載されている通り、以下の内容をメールで送れば良いようです。

  • 氏名、住所、パスポート番号
  • 植物名、数量、従量
  • 便名(flight number)、検疫を受ける予定の時間
  • 搭乗ターミナル

色々なサイトを参考にしつつ、私は次のようなメールを送りました。基本的には機械翻訳を使いながら中国語(繁体字)で書いて、氏名や住所といった現地語にするのが難しい固有名詞は英語(ローマ字)で書くという形にしています。

宛先: ty05@tyaphia.gov.tw
件名: 植物檢疫預約(2025年8月18日)

您好

我要帶水果回日本,所以想在後天也就是8月18號去桃園國際機場檢查。
申請資料如下:

姓名: [ローマ字の名前]
地址: ~~ Tokyo, Japan 英語順で住所を記載
護照號碼: [パスポート番号]
植物品名: 鳳梨 パイナップルはどの種類であってもこれだけでok
數量: 2 買ったパイナップルの数
重量: 約2~3kg 合計の重量。大体で大丈夫
班機資訊: 日本航空 JL8664 (出發時間12:40) 出国時に搭乗する予定の航空会社・便名と一応出発時間も
預計檢疫時段: 2025年8月18日 上午8:30 検疫所に行く予定の時間。今回は午前8時半と早めに行く予定
預計辦理航廈: 第二航廈 飛行機が出発するターミナル。1タミ(第一航廈) or 2タミ(第二航廈)

如有任何問題請通知我,謝謝。

「預計檢疫時段」については後述の通り、曜日・時間帯によって手数料が異なるため、注意してください。基本的には平日の8:30~12:30、13:00~17:00を指定するのが最も手数料が安くなるのでお勧めです。ちなみに、検査自体は必ずしも出国当日に行わなければならないわけではないようなので、飛行機が休日・深夜早朝便になる場合は、前日などに検疫を受けるという事も不可能ではないようです(できないor日本入国時に止められる可能性もあります)。また、検査には40~60分程度かかる場合があると案内されているため、乗る予定の飛行機のチェックイン開始時間などから逆算して、1時間以上余裕を持ったスケジュールを組むようにしてください。

このメールは土曜日の15時ごろにメールを送ったのですが、30分ほどで次のような返信がありました。

您好: こんにちは:
已收到您的預約來信,相關收費依據如附 予約の連絡を受領しました。関連する料金は添付資料の通りです。
請預寄護照影本、電子機票以利繕打資料。 資料作成のためパスポートとeチケットのコピーを事前に送ってください。

敬祝一切順心 ご多幸をお祈りします

PDFが添付されていて、内容は以下のような検査にかかる手数料の一覧表と、種類毎の制限数でした。私が日本語に翻訳したものも載せておきますが、あくまでも参考なので、正しい内容は動植物検疫検疫局のサイトなどで最新の情報を確認してください。

パイナップルの場合は10kg以下であれば制限範囲内なので、検疫自体の手数料は無料です。ただ、処理手数料として必ず100元が必要になるとのと、休日や深夜早朝帯、休憩時間帯に検疫をお願いする場合は200~2000元の追加手数料が発生するので注意してください。特に休日日中の1000元や深夜帯の2000元の追加手数料はパイナップルを持ち帰るにはさすがに高すぎるので、よっぽどの理由がなければ避けた方が良いです。

「パスポートの写し」と「eチケット」を事前に送るようにということだったので、パスポートの顔写真のページの写真と、eチケット控えのPDFを添付して返信しました。それに対しての返事等は特になかったので、ちゃんと届いたかどうかはわからず、、、という感じでしたが、検査当日も特に何も言われなかったので問題なかったようです。

Step 3. パイナップルを洗う

一番大事なポイントです。とにかく洗います。隅々まで丁寧に洗います。多くの場合、ホテルに宿泊していると思うので、ホテルの洗面所やバスルームで洗う事になると思います。日帰り弾丸旅行で洗えない場合は、ブラシで擦ったりして汚れなどを取り除いて挑戦することになるかもしれません。

カイガラムシなどの寄生虫がついていると検疫で必ずNGになり持ち帰りができなくなります。また、虫そのものがついていなくても、糞が付着しているなど、虫の痕跡があるだけでもダメです。単に水洗いするだけだと痕跡が残っている場合があるので、ブラシなどを使ってよく掃除してあげた方が良いようです。そのため、パイナップルを持ち帰ることが分かっている場合は、洗う用で古い歯ブラシなどを持っていくと便利です。ちなみに、桃園空港の検疫所職員さんも歯ブラシを使って取れる汚れか否かを検査したりしてました。

ホテルの洗面台で歯ブラシを使ってパイナップルを水洗い

パイナップルで特に注意しないといけないのは2~3mmの白い虫であるカイガラムシと、その糞のようです。多くの場合、お尻(下)の切り口の近くに寄生していることが多いようなので、お尻を重点的に確認・掃除するようにしてください。ある程度熟したパイナップルは表面全体に白い粉状のものが付着していることが多いですが、これはブルームと呼ばれるものでパイナップル自体が分泌しているものなので問題ありません。

ちなみに、葉っぱがあると中々洗うのも持ち運ぶのも大変にはなるので、見た目もあまり気にしないようであれば葉っぱ部分を切り落としてしまうのも手ではあります。果物屋さんなどでお願いすれば葉っぱを切り落として状態で販売してくれることもあるようです。今回は葉っぱ付きのそのままの状態で検査しましたが、台湾・日本どちらの防疫官の方もお尻の方を重点的に見ていて、葉っぱの方は軽い確認だけのようだったので、そこまで深く考えなくも大丈夫そうです。

洗った後はしっかりと拭いて、乾かしておきましょう。私の場合、購入した当日夜に2個のパイナップルを30分ほどかけて洗ったあと、タオルで拭いてから放置で、翌日の夜頃には洗う前の乾いた状態になっていました。時期などによって乾くのに時間がかかることもあると思うので、少なくとも検査の24時間以上前には洗っておくことをお勧めします。

Step 4. 検疫申請書を作る

桃園空港で検疫を受ける際は、「動植物検疫申請書」提出する必要があります。申請書自体は検疫所でもらうことも可能なはずなので、必ずしも事前に用意しておく必要はありませんが、事前に用意しておけば手書きする箇所が減って楽ですし、時間の短縮になります。ついでに、ちゃんと用意しているとただでさえ優しい職員さんの対応がなんとなくさらに優しくなった気がします(多分気のせい)。

Step 4としていますが、実は記入する内容の大半は日本出国前に分かっているであろう項目です。そのため、基本的な項目を埋めたものを日本で作成しておき、必要に応じて現地で手書き追記することをお勧めします。ただ、後述するように台湾現地で簡単に印刷する方法もあるので事前の印刷を忘れてしまっても慌てる必要はありません。

検疫申請書は先ほどから何度か紹介している農業部動植物防疫檢疫署桃園分署のページの下部に「相關檔案下載(関連ファイルのダウンロード)」として「旅客或郵包寄遞動植物檢疫申請書(pdf)」というのが用意されているので、こちらをダウンロードして使用します。申請書は中国語と英語の並記になっているので、なんとなくでも記入できると思いますが、簡単に解説します。

動植物検疫申請書のフォーマット
  • 申報日期 Date: 申請日です。西暦ではなく中華民国歴で書くように要請される場合があるようなので、空欄で出して言われてから記入するのが無難です。
  • 申報人 Applicant: 申請者の情報を記入する欄です。自分自身の情報を記入します。
    • 姓名 Name: 氏名を記入します。漢字でも問題ないはずですが、パスポートに記入されているものと同一にしておくのが一番無難です。
    • 地址 Address: 申請者の住所です。通常は日本の住所を記入することになります。英語表記(ローマ字)が無難です。
    • 護照號碼 Passport Number: パスポート番号です。日本の旅券であればTまたはMから始める英字2桁+数字7桁の9桁です。
  • 品名 Commodity: 検疫を受ける製品の名前です。パイナップルであれば「鳳梨」または「Pineapple」で大丈夫です。
  • 共計數量 Total Number: 合計数量/重量です。この欄は職員の方が実物を確認して記入してくれるので空欄で大丈夫です。
  • 輸送方式 Means of Conveyance: 手荷物(個人攜帶)として運ぶか、郵送(郵寄)かを選択します。通常は手荷物の方に✓します(ここでいう手荷物は旅客機に乗るときの預け手荷物も含みます)。
  • 起運地點 Country of Origin: どこから運び出すかです。「台灣」または「Taiwan」で大丈夫です。
  • 運往地點 Destination: 行先です。「日本」または「Japan」で大丈夫です。
  • 乘坐船機班次或名稱 Flight(ship) No. or name: 搭乗予定の便名を記入します。例えばJALならJL8664、peachならMM620などが便名です。
  • その他の欄: すべて空欄で大丈夫です。

今回私は申請日と数量の欄を空欄のまま提出しましたが、特に追記を要求されることもなく、そのまま受け取ってもらえました。対応する職員さんによっては記入を求めてくる可能性もあるので、その場合は指示に従ってください。また、名前や住所については、漢字で書いても問題ない一方で、漢字と英語の並記にしてしまうと拒否されるケースがあるようです。基本的にはパスポートの記載から確認の取れるローマ字(英語)表記のみで記入しておくのが一番無難でおすすめです。

検疫申請書を台湾で印刷する

出国前に事前に印刷していない場合、台湾現地で印刷したくなるかもしれません。ホテルによっては印刷サービスを提供していて、フロントなどで問い合わせると印刷してくれるケースがありますが、すべてのホテルで提供されているわけではありません。しかし、台湾でも日本と同じようにコンビニでネットワークプリントが利用できます。セブンイレブン限定ですが、日本語にも対応していて非常に簡単なので、印刷が必要になった時はおすすめです。

台湾のネットプリントサービスはibon クラウドプリントというサービスで利用できます。使い方は非常に簡単で、ibonのサイト上でファイルをアップロードして、表示されたQRコードをセブンイレブンにある専用端末に読み取らせるだけで印刷できます。

まず、ibon クラウドプリントのページにアクセスします。デフォルトの中国語のままでも何となくわかりますが、右上の「文A」マークから日本語を選択できます。

ファイルを選択して、利用規約に同意するチェックを入れたあと「アップロードを確認」を押すと、実際のアップロードが始まり、うまくいくと受取番号とQRコードが表示されるのでこれを控えておきます。メール送信などでQRコードをスマホで確認できるようにしておくと便利です。ちなみに、ブラウザからのアップロードではなく、メールで指定のアドレスにファイルを送る事でも登録できるようです。

無事に受取番号を取得できたら、最寄のセブンイレブンに向かいます。大体お店の奥の方にATMやプリンタ複合機の隣にLoppiやFamiポートに似たibon端末があるので、そちらに向かいます。ibon端末のUIは更新などによって変わる事があるようですが、概ねトップページに「Language」や「English/日本語」などのように言語選択メニューがあるので、そこから日本語にすることができます。

「画像印刷 / ファイル印刷」というメニューを開くと、使い方の説明が出てくるので「同意します」を押して進みます。次に「ibon雲端列印 クラウドプリント」または「ibon文件下載 クラウドプリント」というメニューを選択すると、受取番号の入力画面になるので、番号を入力するか、端末下のスキャン部分にQRをおいて、「次に進む」ボタンを押すとQR読み取り・ファイルダウンロードを開始します。

正しくファイルをダウンロードできると、ファイルのプレビューが表示されるので、問題なければ「次に進む」を押して、印刷設定が「部数1」「カラーモード黒白」「片面印刷」「A4」「1ページ」になっているのを確認して、「直接印刷」ボタンを押すと、設定と料金の確認画面が出てきます。2025年8月時点では、A4白黒1枚の印刷は3元(約15円)でした。内容を確認して、問題がなければ「確認」ボタンを押すと、日本と違い即座に隣のプリンタ複合機で印刷が始まります

印刷が完了すると、ibon端末の方からレシートが出てきます。このレシートをレジに持っていって支払いを行います。印刷前に支払いを行うのではなく、印刷後にレジで後払いする形になる点が日本の端末との最大の違いなので、レジに行くのを忘れてうっかり払い忘れなんてことが起こらないように注意してください。

Step 5. 桃園空港で検疫を受ける

ここからは如何にきれいなパイナップルを購入できたかが問われるドキドキの時間です。メールで予約した時間に合わせて、予約時に指定したターミナルにある動植物検疫所に向かいます。第1ターミナル、第2ターミナルそれぞれに出国動植物検疫事務所があるので、そこを目指しましょう。どちらのターミナルでも一階に存在します。

元画像: 農業部動植物防疫檢疫署桃園分署 分署簡介

今回私はJALで第2ターミナル利用だったため、ここからは第2ターミナルの場合での解説になります。ただし、場所が違うだけで、基本的にやることはどちらのターミナルでも同じはずです。

第2ターミナルの動植物検疫事務所ですが、地味に分かりづらい場所にあります。事務所があるのは1階到着ロビーで、到着口に向かって右手端の飲食店の隣にあります。右手に進むと、さらには左手に曲がってバス停などに向かう通路があり、そちらには税関事務所などがあるのですが、この通路に入ってはいけません。検疫事務所は通路手前の飲食店の真横、通路にある通信会社店舗の裏側の位置にあります。検疫事務所だけ微妙に奥まったところにあって、意識してないと完全に見逃してしまうので、私は一度通路の方に進んでしまい5分ほどロスしました。

検疫事務所に入ると、手前に誰もいないことがありますが、カウンターの奥の事務スペースに人が居るので、少し顔を出して「ニーハオ」とか挨拶すると担当の人が出てきてくれます。出てきた人にパイナップルの現物を見せながら「チェック」みたいなことを言えばなんとなく察してくれます。何人か日本語ができる職員の方もいるようで、運がいいと最初からほぼ日本語で対応してもらえます。

パイナップルを渡すと重量や状態の確認を進めてもらえます。同時にパスポートと航空券(発券前なら印刷したeチケット控えでOK)、購入時のレシートを要求されるので渡します。この時に、事前に印刷しておいた申請書も渡すとスムーズです。渡した申請書以外の書類については、コピーを取った後で返却してもらえるので、絶対に忘れないように注意してください。

検査が完了すると、パイナップルが返却されると同時に手数料の払込書を渡されます。手数料の支払いはその場ではできず、台湾銀行の窓口に向かう必要があります。台湾銀行の窓口は、同じ到着ロビーに両替カウンターとして存在するのでそちらに向かえばいいのですが、営業時間が10:00~22:30なので、朝05:30~10:00の間は出国ロビーにある台湾銀行の両替カウンターに向かうように案内されます。今回も8時台だったので3階出国ロビー8番カウンター向かいの台湾銀行に向かうように案内されました。なお、台湾銀行のカウンターが一切営業していない深夜帯などは、検疫所の職員の方が代理対応してくれるようです。

台湾銀行の窓口には両替としか書いていないですが、サイト上の案内などでは国庫金支払も業務範囲含まれていることが明記されているので安心してください。払込書と手数料を現金で渡せば支払い済みの印を押したうえで、払込書の3分の2を返却してくれます。

検疫事務所に戻って、押印済みの払込書を渡して暫く待つと、A4の検疫証明書を発行してもらえます。検疫証明書は日本で必要になるので大切に保管してください。検疫証明書と一緒に、領収書として払込書の3分の1の所を返してくれるので、こちらも一応保管しておきましょう。なお、今回はすべて合格だったため、不合格が発生した場合どのようになるのかは不明ですが、少なくとも検疫所では処分してもらえないため、台湾出国前に自分でどうにか処分する必要があるようです(不合格になったものは絶対に日本に持ち込めません)。

検疫証明書を発行してもらえたら台湾での手続きはすべて完了です。今回は検査~証明書発行まで大体20分ほどで完了しました。あとは通常通り台湾を出国して、日本に向かいましょう。

ちなみに、量にもよりますがパイナップルと検疫証明書はどちらも手荷物として機内持ち込みすることをお勧めします。機内持ち込み手荷物とすることで、日本到着後、預け手荷物の返却待ちの間に日本側の検疫を受けられて時間短縮になります。

Step 6. 日本で植物検疫を受ける

無事パイナップルを持って日本に到着したら、次は入国時の手続きが必要です。通常通り降機して日本入国をした後、どの空港でも税関の手前に手荷物受取場があります。基本的にはこの手荷物受取~税関までの間のどこかに植物検疫が存在します。大抵の場合は手荷物受取場の端っこの壁か税関の並びに動物検疫・植物検疫のカウンターが並んで存在します。成田や関西のように大きな空港では、複数か所に存在する場合がありますが、私が成田を利用したときは3か所あるうちの一か所のみが開いていたので、混雑状況等によって異なるようです。

持込手荷物としてパイナップルと検疫証明書を持っている場合は、直接植物検疫に向かってください。預け荷物としている場合は、荷物を回収後に植物検疫に向かいます。基本的にはその場にいる防疫官に台湾からパイナップルを持ち込んだことを伝え、パイナップルと検疫証明書を渡せばすぐに検査してもらえます。

防疫官がじっくり確認して、問題がなければ袋などに検査合格証のスタンプを押した紙を張り付けくれます。ちなみに、台湾の検疫で合格していても、日本での検疫で不合格になってしまうケースもあるようです。成田空港の防疫官に聞いたところ「台湾でOKが出ていても日本でダメというのも結構ある」とのことだったので、日本での検疫が完了するまでは安心できなさそうです。今回は無事2個とも問題なく合格となりました。

なお、台湾で発行された検疫証明書は回収されるため、万一この後の税関通過までに検査合格証を紛失してしまった場合、実質的に再検査を受けることが不可能になります。検査合格証が取れて無くなったりしないように十分注意してください。

パイナップルの植物等検査合格証

Step 7. 税関を通過する

さて、ここまでくれば後は気楽なもので、検疫から税関までの極短い間に合格証をなくすという高度な芸当を披露しない限りは、パイナップルを持ち帰れることが約束された状態です。とはいえ、最後の関門として税関検査があります。

税関については、事前に紙の「携帯品・別送品申告書」または「VisitWebJapanの電子申告」を記入することになっていると思います。この中で「下記に掲げるものを持っていますか?」という質問で「肉製品、野菜、果物、動植物等の日本への持込みが制限されているもの」という項目がありますが、パイナップルはこの制限されているものに該当するため「はい」をチェックする必要があります。そのうえで、紙であれば裏面、電子申告であればその先の画面で、持ち込むものの品名等を入力する欄があるので、そこにパイナップルと記入しておく必要があります。

Visit Web Japanの電子申告を利用していて税関の確認が必要なものを持っていない場合は、電子申告ゲートのみで通過できますが、パイナップルを持ち込む場合は確認が必要ため、原則有人レーンに送られます。そちらで税関職員に検疫済みのパイナップルを持ち込む旨を実物と検査合格証を示して説明すれば特に問題なく通過できるはずです。

なお、通常は電子申告していても必ず有人レーンに送られるのですが、他の確認項目がない場合は、周辺にいる案内の税関職員の確認・指示の元、電子申告ゲートを通過できるケースもあるようです。今回私の場合は、パイナップルの他に、免税範囲を超える酒類の持ち込みもあったため、そのあたりの確認はできませんでした。

税関を通り抜ければもはや行く手を防ぐものは何もありません。台湾から持ち込んだパイナップルは晴れて完全に自分だけのものになります。おつかれさまでした。

注意点まとめ

  • パイナップルを台湾から日本に持ち帰るには台湾・日本両方での検査が必要です。
  • 購入時はお尻を重点的に確認し、害虫の痕跡のない出来るだけきれいなものを選んでください。
  • 購入時のレシートや領収書を必ず貰って保管してください。
  • 台湾での検疫は前日までに予約をしておく必要があります。
  • 検疫には30~60分かかります。検疫の時間は飛行機のチェックイン開始1時間以上前または搭乗の2~3時間以上前を指定するようにしてください。
  • 休日・深夜早朝帯は手数料が高額になるため、平日日中に検疫を受けられるようにしてください。
  • 台湾での検疫申請書はできるだけ前もって準備しておくとスムーズです。
  • 検疫申請書の申請日や数量は空欄が無難です。氏名や住所は英語(ローマ字)表記のみが無難です。
  • パイナップルは歯ブラシなどを使用してしっかり水洗いしてください。
  • 第2ターミナルの検疫事務所は見逃しやすい場所にあるので注意してください。
  • 紙の航空券発券前の場合は、印刷したeチケット控えの準備を忘れないでください。
  • 手数料の支払いは空港内の台湾銀行カウンターで現金のみです。事前に手数料を計算して用意しておくのがおすすめです。
  • 第2ターミナルは時間帯によっては遠い銀行カウンターまで行く必要があり、その場合往復で10分近くかかります。
  • 量が少ない場合はパイナップルと検疫証明書を機内持込すると日本到着後の手続きがスムーズです。
  • 日本到着後、日本の植物検疫を受けて検査合格証をもらう必要があります。台湾の証明書だけでは持込できません。
  • 台湾で合格になったものでも日本で不合格になる場合があります。害虫を持ち込まずに済んだことを感謝し、潔く諦めましょう。
  • きちんと税関でも果物を持ち込むことを申告する必要があります。

参考にしたページ

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